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祭りと私:金澤徹

やっぱり我が町、荒川の玉手屋台

先人が残してくれた名品を伝承し立派な屋台奉納する意味

私たちの氏神さん、荒川神社例祭風流(湯立て・八朔祭・小芋祭り)が
姫路市指定重要無形民族文化財に指定されました。
永年、大切に昔どうりに、稲作の神事・行事を斎行、今に伝承している事の意義が指定になったと言えます。
地味ではありますが、この自覚と誇りを持って荒川祭りは充実して行くでしょう。









勝ち残りで元気付く玉手屋台


少なくなった飾磨彫刻の銘品
三代目松本義廣の刃鋭!みんなに担がれ・・・・町の宝として大切に保存され、若者もこの誇りを口にする

新調の話が続々と…屋台を新調することはどんなことか、大切に奉納してきて何十年。痛みが激しく釘が止まらないくらい使ってはじめて屋台が新調されるものであろう。
流行に浮かれて新調されるが,どこの屋台も変り映えしない。
古い屋台はもっと神社,村によって特徴が見られる屋台だった。


昭和の初め頃か、松本義廣作の挾門彫刻
(彩色せず大切に保存されている)


昔の人は戸数70戸足らずの村で今では重文にも相当する彫刻を依頼して残した。
みんなから集めた浄財、本当にいい物を作ろうと努力した。
だから50年,70年,100年と残る屋台がある。
この姿、形は町の人の心にやきつき、みんなの心の宝として大切にされる。

今、屋台は 大型化、彫刻は漫画化、金ピカ衣装の仏壇か?
サイクルが早くなって…大きいことが自慢げに練りのへたさが目立つ悲しさ...。

時代も落ち着いたところで本当に祭りを考え、屋台のありかたを考える時が来ているようだ。
祭絵屋


玉手、中地の宮入の練り合わせ

朝、町之坪踏切での玉手の意気込み

播州三太鼓、玉手屋台の風格がにじむ

町之坪踏切別れの三つ練り

左より町坪、中地、玉手、岡田、井ノ口、西庄屋台

平成13年荒川も6台練りをやってしまった。今年から3台練りして...最後に6台練りをすると決まったようだが。
練りあわせだけが播州の祭りでしょうか?しかし昔、屋根に穴のあくほど練り合した玉手と西庄の話もある。
やはり荒川小芋祭りも激しい申し合いを行っていたらしい。
山陽電鉄開通以前は灘祭りより『荒川の小芋祭り』と姫路市街に近く親しまれ、戦前は神嘗祭(かんなめさい)10月17日は祝日であり荒川神社がにぎわっていた。<播州三大祭>
なんと言っても『肥タンコ』、担ぐことはお手のもの。百姓の祭りは粘りが本筋...練りの上手はうなづける...。


荒川神社祭礼絵図(9月6日より書写美術工芸館、絵馬展に展示)

<播州・姫路>荒川六ヶ村.”農民の水の道筋”
互助のつながり.粘りの階段のぼりが意気示す。


昔、当地は氾濫川の中にあり、その荒れ川を静めるために水の神(水破女命)を祀り、夢前川が横関を西に向かうようになり、水荒れは治り豊作に。喜んだ農民が太鼓台を作り奉納したのが祭りの始まりと伝う。

荒川地区西の岩山中腹に鎮座し山全体が祭絵巻の舞台である。朝、勢いよく2つ練りをしつつ宮入りして馬場に勢揃いした屋台は中腹にある拝殿に向かい階段を登る。播州の奇祭《荒川の階段のぼり》である。
乗子、練子、綱引き、幣(四手)方、村の人(町)の心を一つに屋台は階段を上っていく。
必死の掛け声。練り子の熱気・屋台からはオーラが・・・・この”行” とも云える村中一丸の姿は見る人に感動を与え、ファンも多い。(祭り通の)
拝殿に引っ張り込み荒ぶるばかりの練りと差しは舎内共鳴して轟くばかり、一礼して次のお旅所への急坂、胸付八丁を登りきる。頂上のお旅所でお御輿を迎えて神幸祭がとり行われ、氏子の豊年萬作、五穀豊穣、家内安全が祈願される。
ここで昼弁当、山全体が弁当場、家族、親戚、友達ご近所一緒になって輪をつくりピクニック気分で盛り上がる。

午後2時ごろ、先頭の町坪より坂を下り始め次々と屋台はくねった坂道を、あっちにゆらり、こっちにぐらりしつつ後ろは子供たち、お母さん、お父さん方が綱を引きシデ棒に励まされながら村(町)中の力が結集、一丸となって屋台はおりてくる。
この祭りの大切な、大事な部分である。

下の馬場に近づくとまだ前の屋台が練っている。そこへ走り込み2台3台の練り合わせが行われる。
かわいい子供みこしが宮出した後、南北3台づつの練り合わせ。
そして、神社境内轟の6台練りが今年も行われる。
昨年、雨の中決行しただけに恒例となるだろう。
秋の陽はつるべおとし。 日の暮れるのも早く涼風が肌をさす。
途中、町坪踏切での3台練り、今年の祭りはこれで終わりと,電飾に飾られた3基の屋台、軒を合わせて名残を惜しみ、ここで負けたら1年の悔が残ると頑張るのである。


頑張りましたと胸を張って帰る年・・・。
今年は残念と肩を落として帰る年・・・。
町の広場は「ご苦労さんでした」と出迎える町中の人がいっぱい。最後の一差で今年も無事終わるのである。
「今年も皆無事に帰ってきたョ」。
来年も元気で祭りに出られますように・・・・。

10月に入ると祭りがどこかで・・・それが姫路
大きな祭り、小さな祭り、10月は日を追って地区の氏神さまの祭りが繰り拡げられます


10月8,9日

恵美酒宮(飾磨)、浜ノ宮(飾磨)


大幟を先頭に坂を下ってくる屋台
10月10,11日 高砂神社
10月13,14日 曽根天満宮、的形湊神社
10月14,15日 松原八幡神社(灘のけんか祭り)
大塩天満宮毛獅子(無形文化財)
10月17,18日 英賀神社 梯子獅子舞
10月19,20日 <神岡獅子の舞>龍野市
10月20,21日 <荒川神社小芋祭り>金澤さんとこの祭りです
10月21,22日 網干・魚吹八幡神社・ちょうちん祭り
10月22,23日 富嶋神社
11月13〜16日 播磨国総社
*特に8.9日は連休<体育の日>は姫路周辺数え切れないほど大きな神社・小さな祭り至る所で祭りが斉行されています。ぜひおいでくださいませ。
 

この祭りの形態は赤穂、御津、福崎、生野、竹田、加西、三木と姫路を中心に播州一円に拡がっている。 それぞれの祭りに各神社氏子命をかけて守られている。

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